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第63回日本透析医学会学術集会・総会

2018年6月29日~7月1日に神戸で開催された第63回日本透析医学会学術集会・総会に出席しました。

今年の学会は、やはりカルシウム受容体作動薬を中心にリン吸着剤など、CKD-MBDに関連したものが多かったように思います。
カルシウム受容体作動薬のエボカルセト(Evocalcet:商品名オルケディア)が2018年5月22日に販売開始となった影響が大きいものと思われます。

カルシウム受容体作動薬により、P、Ca、PTHの管理が容易となり、治療に関しても影響が出てくるのではないかと言われています。
学会の講演でもカルシウム受容体作動薬が出てきたことから、骨回転を踏まえPTHの上限値をもう少し上げても良いのではないかということが触れられていました。しかしながら、「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン」において 生命予後の観点から一番良いとされたものであり、日本は透析年数も長いことから、慎重に検討していくべきかもしれません。
一方シナカルセトは透析患者の骨折発症抑制作用もあり、65歳未満には有意差は見られないが65歳以上では有意差が見られたとする報告がありました。PTHが高い状態が続くことは線維性骨炎も生じさせるため、PTHの値はコントロールが必要です。
また今まで使用されていた活性型ビタミンD はCa値を上昇させ、石灰化促進する一方、シナカルセト(Cinacalcet:商品名レグパラ)はFGF-23を1/2~1/3まで低下させ、FMD(血管内皮機能)やPWV(脈波伝播速度)の改善、心拡張作用改善、Calciphylaxis(カルシフィラキシス)の低下といった作用があります。このシナカルセトの恩恵はPTHが高いほど受けるとされていました。

現在販売されているカルシウム受容体作動薬は、シナカルセト、エボカルセト、エテルカルセチド(Etelcalcetid:商品名パーサビブ)があり、いずれもアロステリックに作用する薬剤であるが、エテルカルセチドは結合部位が異なるため、他の薬剤と効果や副作用に差が出てくるのではないかと言われています。
エテルカルセチドは、他剤と比べカルシウムが結合する部位に近いため、効果・副作用ともに強いとの話がありました。
また二次性副甲状腺機能亢進症により血清カルシウム値とPTH値との関連を示すS字曲線ならびにセットポイント(PTH最大分泌の50%抑制する血清カルシウム濃度)が右上方に移動することが知られています。カルシウム受容体作動薬はこれを元に戻そうとするが、シナカルセト及びエボカルセトは左下方(下に戻る力は弱い)に、エテルカルセチドは左方(下方向へは戻らない)と戻す方向が異なるとの話がありました。(活性型ビタミンD が下方に戻す力が強く、活性型ビタミンD剤を併用すると効果的としていました。)
エテルカルセチドは、注射剤で患者のアドヒアランスに影響されず、嘔気等も出にくいということ以外にも今後様々な報告が出てくるかのしれません。

次回、第64回日本透析医学会学術集会・総会は 、2019年6月27~30日 パシフィコ横浜とのことです。
次回も是非出席したいと思います。

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